店主の言葉

店主が語る、龍の家とは

ラーメン屋を始めたきっかけ

もともと「飲食店を経営したい」とは思っていたものの、ラーメン店をやると決めていたわけではないんです。何を始めるのがいいかを見つける為に、様々な飲食店経営者の方にお会いし、お話をお聞きしながら模索する日々がしばらく続きました。「私の店は月間でいくら利益が出ている」とか、「年間の売上をいくらにするのが目標」だとか。そんなお話をたくさん聞きましたが、私のなかで「これをしたい!」と奮い立つまでには至らなかったんですね。けれど、博多一風堂の店主である河原成美氏にお聞きした話は、私の胸を大きく打ちました。「大学まで出た子が、胸を張って『俺はラーメン屋になるんだ』と言えるような業界にしたい。俺はラーメン業界を変えてみせる」と。その言葉を聞いて尊敬の念が湧き起こり、「これだ! 俺はラーメン屋をやる!」と決断しました。

教育面で大切にしていること

お客様に感動や喜びを感じていただく為には、まず従業員が楽しみや喜びを知ることが先決です。前準備もできていないのに、いい結果は望めない。逆に言うと、楽しさを知らない人、感動を知らない人が、人に楽しさや感動を与えることはできないですよね。今でも、日々前準備を大切にしています。感動を与える教育をするのではなく、「感動を感じられるような人になる教育」を心がけています。「お客様のあの笑顔見てごらん。人の笑顔を見たらお前も幸せだろう? あの笑顔をもっと見れたらいいよね」って。その時その時に感動できる教育を大切にしています。

店主としての夢

始めのうちは、「あなたの夢は何ですか?」と聞かれたら、「全国にラーメン店を出すことです」とか、「100億の会社にすることです」などと答えていました。でも今は、「自分についてきてくれる従業員の成長」が私の夢です。入ったばかりで敬語すら使えなかった子がきちんと接客していたり、イキイキとした笑顔で仕事をしていたりする姿を見ると、「あ、いいな~」って相当嬉しいですね。ひとりひとり成長し続けていくので、果てしなく広がる夢です。もっと先のことを言えば、従業員がその生涯を終える時、「俺の人生に悔いはない、本当に楽しかった」と、安堵感に包まれて笑って逝くことができること。その従業員が自分の人生を誇れ、よかったなって最期に思えることです。

龍の家が目指すもの

ひとことで言うなら、あったかいお店。美味しいのは当たり前で、美味しい以上のレベルを目指していきます。しっかりとした見た目の良い接客でも、心が入っていないと決して伝わりません。いかに心が伝わり、あったかくてほっとするお店にするかが大事です。そして、現状満足と妥協は絶対にせず、もっともっとお客様に感動を味わってもらえるような、ずっと心に残り続けるようなことをしていきます。接客や味がいいのは、今では当たり前になりつつある。お客様にとって当たり前であるのなら、もっと上を目指していかなくてはならないと思います。龍の家が止まることは、決してないですね。

龍の家店主 梶原 龍太


1972年2月6日、福岡県久留米市に生まれる。大学卒業後、大手ディスカウントストアに勤務。
1998年、株式会社アペックスフーズに入社し、翌年「ラーメン龍の家」を創業。
2006年、同社の代表取締役社長に就任。
2013年、アペックスグループの代表取締役社長に就任。
2015年、アペックスグループを合併し、株式会社アペックスコーポレーションを設立、現在に至る。